自分の人生を変えた一枚の一つ、98年発表の問題作。"Mezzanine" - イタリア語で中二階を意味するがメンバーの3D曰く「前にも後にも分裂症が待ち構えてる病んだ精神状態」という言葉からもわかる通りそのサウンドは現代の退廃と絶望を表現している。しかしその傍ら、シングル曲"Teardrop"でみせる至上の美と静謐さは一体何なのか?
トリップホップという気の利かないジャンル名よりはブリストルサウンドといった方がピンとくるかもしれない、ポーティスヘッド、トリッキー等、ドイツ系(D.A.F.、Einsturzende Neubauten)とは一線を画すインダストリアル・サウンドとミックスカルチャーから派生したDub&HipHopサウンドが特徴だ。今回もおなじみのホレス・アンディほか、エリザベス・フレイザー、サラ・ジェイなどの豪華なヴォーカリストのパフォーマンスもアルバムを通して重要だ。
プロデューサーは今回から、第4のメンバーとまでいわれたネリー・フーパーではなくMassive Attack & ニール・ダヴィッジとなっている。ミックスは大物スパイク・ステント(マドンナ、U2、ビョークなどのミキサー&エンジニア)。エンジニアリング、プリプロダクション、ミックスどれをとっても申し分なく、昨今のハードディスク主体のレコーディングと非破壊編集を予見していた。全編を通じて処理されている大胆且つ深いディレイ&フィルターワークにステントの特徴がみられるし、ちょっとしたハプニングもダブに生かしてしまうニール・ダヴィッジのエンジニアリングの功績も大きい。そしてなりより、この何処までも深く、暗く現代の暗澹を抉り出すサウンドを是非体感してほしい。
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